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中高生のための「かたづけ」の本

【049】中高生のための「かたづけ」の本

 

 

【15/02/19】見事な「生活哲学」の本。モノとの関係を見直すきっかけとなる。

【22/08/21】「生活哲学」とは、無論造語です。生活を支えていくのにも、「哲学」が見え隠れしているのではないかという思いがあったのだろうと考えます。

【22/11/09】以下、2015年2月20日付けのブログより転載です。

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私がこの本を手に取ったのは、いかんともし難い「汚部屋」状態からの脱却を図ってのことでした。正直に申し上げておきましょうww

病気で壊れてしまった生活習慣

このブログやTwitterなどでも、既に何度も書いているように、私は2000年にうつ病との診断を受けています(最近では診断名が変わる可能性がでてきていますが)。既に長いです。これだけ長いと、様々な「生活習慣」が「壊れて」いきます。決まった時刻に寝起きし、3食キチンと摂り、身支度を整えて目的とする場所に出かける。これだけのことが、できなくなってしまいました。

もちろん、これが不可逆的なものとあきらめているわけではありません。でなければ、50歳にもなってこのような本を買って読んだりはしません。

こんな私でもかたづくのか?

狭い部屋ではありますが、時々くらいには友達を招いてコーヒーなど飲んでみたいという願望はあります。少しずつでも、この本から得た知識・アイディアを実践に移していきたいと考えています。

この本の基本的なスタンスは、これだけのモノに囲まれている時代に、モノが片づかないのは、「方法」が身についていなければある意味「当然」としているところにあると思います。片づけは、「できて当たり前」なことではないのです。

片づけ=捨てること、「ではない」!

著者は、片づけのステップを「出す/分ける/選ぶ/収める」の四段階に分けて解説していきますが、それは「捨てる」ことが目的ではありません。「分け」「選ぶ」過程において、自分がどうともつけられない「迷い」は「迷い」として、一つのカテゴリーとして整理して、それに向き合うことが大事だと説いています。これは取りも直さず、何を溜め込んでしまう人間であるかということに向き合うことに他なりません。

「映画化」しても、面白そうなのにw

さて、著者の杉田さんは、そのキャリアを名古屋空港の国際航空貨物の輸出貨物を扱う部門からスタートされています。航空貨物を扱っている最中に、あの9.11を体験されたり、パートナーが病気で倒れたりということも触れられていました。「片づけ」カウンセラー(でいいのかな?)をされるようになってからは、企業内での動線を見直す作業や、小さな引っ越し=人生のスタートに関わるエピソードなども盛り込まれていて、読んでいて実に面白かった。映画化すればいいのになあと思ったことはナイショですよ(笑)

片づけ=自分で「選択」できること

片づけができるとは、端的に言って、納得のいく選択を時々でできるようになっていることに他ならないと説かれています。その意味で、自分の人生の主人公となっていくためにも、身の回りの些細なことから始めて、納得のいく選択ができるようでありたいと考えるようになりました。本著にご関心をお持ちいただけましたら、望外の喜びです。

(転載終わり)