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サバイバル宗教論

【162】サバイバル宗教論

 

 

【16/07/17】この本は、2012年2-7月にかけて、主として臨済宗の僧侶を対象とした講演を基に構成されている。いつもながら、何でこんなこと知っているんだというほどの該博な知識に圧倒されてしまう。今回も、民族・国家・資本主義の成り立ちと行く末について論じながら、自発的に参加するアソシエーション型の中間団体としての宗教団体の重要性に言及している。この後、佐藤氏は創価学会を高く評価する著作を続けて出しているが、それもこうした一連の問題意識に連なっているのだろう。

 

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中間団体に注目しているのは、ぼくは社会学を聞き齧ったことがあるからです。むき身の丸裸の「個人」と、対極にある「国家」との対立関係の緩衝地帯になるのが、その中間団体です。ここをどう捉え、強くしていくのかが、グローバル化している資本主義も含めたものとの関係を考える上で重要だと思っています。