【195】人生を面白くする 本物の教養
【16/10/14】大きな転換期を迎えていながら、国際的に見ても、日本のリーダーたちは勉強せず、教養もないつまらない人間であるとの危機感を著者は抱いている。この本は、特に若い人向けにまとめられた(どうも語り下ろしである節がある)ものと言えるが、「いまいるあなたが、あなたのこれからの人生の中では1番若い」ので、どの年代にとっても益となるものだろう。出口さんは、基本的には「快楽主義者」(=楽しみを価値とする)であると思われる。教養を武器に、愉快な人生を楽しみ、よりよい社会を築こうとしているのは、楽観主義の現れでもあろう。
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【参考記事】「新しい教養」の時代かもしれない(16/10/14)
※他タイトルのブログからの転載です。
最近の自分の読書傾向を振り返ってみると、「教養」がキイワードになっているように思えてきます。それは、旧制高校・旧帝大的な「教養」、つまり人格の陶冶のための教養ではなくて、言ってみれば、21世紀の「新しい教養」とでも言うような傾向があるように思えます。そして、それは出版界の傾向ででもあるように思えています。
ここで、「新しい教養」と言っているのは、
・グローバルスタンダードとしての教養、
・サバイバルツールとしての教養、
・人生を謳歌するためのツールとしての教養、
とまとめることができそうです。こうした傾向を示している著述家としては、
・出口治明さん(1948年生)
・池上彰さん(1958年生)
・佐藤優さん(1960年生)
のお三方を便宜的に挙げておきたいと思います(生年順)。
お三方に共通して見られる傾向としては、
・指導層や若者に知識欲が足りていないことへの危機感を持ち、
・なおかつ、人生を豊かに、楽しくするためのツールとしての教養という側面を強調し、
・そのために、本や新聞を丹念に読み込むことを推奨している、
という点が挙げられるのではないでしょうか。
(引用終わり)
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と、2016年時点で書いてみたものの、近年ではむしろ「ファスト教養」というような批判的な見方も出てきている。以下の著作を読んだ上で再考してみたい。